雪樹

「…君の見る空が千回晴れたら、きっとまた会える。だから、僕が君の傍にいたこと忘れないでいて…。ね、日向!」 僕にとって精一杯の約束だった。 「や…くそ…く…」 日向は見えなくなりつつある僕に小指を出した。 「…うん。約束だ…」 涙と笑顔と僕らの手は、最後の最後で重なった。 そして、僕は日向の世界から完全に姿を消した。